日本石鹸洗剤工業会(JSDA)
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2002年5月30日更新
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参照カテゴリ> #03.委員会 #02.CLEAN AGE 187号 


環境委員会
 
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(2003年4月、環境保全委員会から環境委員会に名称が変わりました)




環境の世紀へ新たな覚悟で対応

JSDA 環境保全委員会の活動についてご紹介します

2001年CLEAN AGE187号に掲載
 

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日本石鹸洗剤工業会の活動は、油脂製品部会・石鹸部会・洗浄剤部会という製品分類による三つの部会と、課題・テーマ別に設けられた八つの常設委員会を中心に展開されています。
ここでは環境保全委員会について、出光保夫委員長(花王株式会社 常務取締役)のお話をもとに、編集部でまとめてご報告します。


環境保全委員会は、会員会社から委員が参加してとくに水環境の保全、廃棄物処理、公害防止などを課題として、業界としての対応策の研究調査をおこなっています。
当工業会では、必要な専門テーマについて各委員会のなかに専門委員会やワーキンググループがおかれることがあります。環境保全委員会でも、近年大きな問題になった容器包装廃棄物については、容器包装リサイクル法の制定にさきがけて、業界として積極的に対応するため、容器・廃棄物専門委員会を設けて活動してきました。


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■快適な生活に資する商品を提供しているのだから

いうまでもなく、石鹸や洗剤といった商品は、国民生活の清潔、快適を保つためのものです。そういった一般消費者に直結する商品を提供している業界として、常に安心して使っていただけることで、生活文化に貢献するという使命を負っています。いわばこれを動脈とすれば、静脈的な役割にあたるのが、商品のもっているもう一つの側面、安全性や環境への負荷に対する対応策などです。
環境保全委員会の使命は、この静脈の部分です。商品の安全性についても、実用上問題ない、環境にも影響を与えるものではない、ということを工業会全体として示していかなければならないのです。
企業や業界の環境意識は、そもそものはじめは「公害防止」からはじまり、水環境、廃棄物、省資源などにつながっていきました。その先には、温暖化防止など、より地球的規模で環境を守ることに直結する課題も残されています。
しかし、快適で清潔な生活、健やかな生活に資する商品をつくっている業界として、いろいろな課題の中でも、まず直接関連の深い課題から、前向きに活動しているのです。


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■1970年代から環境問題に取り組む

21世紀は「環境の世紀」といわれています。高度な発展を続けてきた文明社会が残した大きな宿題は、各方面にかかわり、また多岐にわたる難問を含んでいます。いまでは、「宇宙船地球号の乗組員の一人」として、誰もが自然にその問題を意識し理解するようになりました。
しかし、二酸化炭素の排出規制に地球規模で取り組もうという高邁な理想に向けて踏み出した第一歩も、京都議定書の批准をめぐって、国のエゴがぶつかりあっているように、個々の問題になると、なかなか乗組員も一つにまとまらないことも、この問題の難しさを痛感させています。
日本石鹸洗剤工業会では、早くから業界のエゴは捨てて、1970年代から環境問題に取り組んできました。当初は、当時洗剤に含まれていたリン分が排出されるということもあって、環境中の水質への影響と保全策が、環境問題への取り組みをはじめたきっかけでした。そして、この問題解決のために、業界ではあげて無リン化を促進してきました。その過程で、環境保全委員会では地道な水質調査を開始しました。その結果を、毎年「水質年報」として発表し続けてきたのです。
その活動によって、水質保全活動の成果を上げている一方では、世界的に環境問題が意識され始め、課題も広がっていきます。つまり、1992年の地球サミットを契機に、わが国でも廃棄物対策と資源問題がクローズアップされることになりました。そこで、環境保全委員会では、さっそくこれらも検討課題に取り込み、94年からは「水質年報」を「環境年報」と改めて今日に至っている、という経緯があります。


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■水環境を守る水質調査を継続

過去の経緯を踏まえ、水環境が適正に維持されているかどうかの定点観測を、現在も引き続いて継続中です。洗剤等に含まれる界面活性剤は、生分解性が高く、環境に影響を与えないよう配慮されていますが、長年にわたって水質調査をおこない、その実態を発表しています。
調査場所は、代表的な都市周辺河川の中流・上流域で、水道水の取水地域または水質汚濁防止法に規定された領域から四地点を選んで、河川における生活排水の安全性評価を続けています。陰イオン界面活性剤の LASと陽イオン界面活性剤のDADMACについて採取した試料からモニタリングをするのですが、化学技術の進展にともなって生ずる環境中の水に含まれる新たな化学物質調査への対応にも遺漏なきよう、近年では非イオン界面活性剤も対象として、最新の分析方法を取り入れ、生態系リスク評価のための努力をしているところです。
また、全国13政令指定都市の下水処理場のデータを集約して、流入下水・放流水の水質を調査しています。これも、長年にわたって各自治体下水道局のご協力の下に継続しているもので、ユニークな資料となっています。


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■容器廃棄物問題には専門委員会で対応

fig. 容器廃棄物問題についても、業界としての取り組みは早かったといえましょう。過剰包装問題が引き金となったこともあって、勉強会として容器問題研究会が設けられたのは十数年前でした。90年代に入ってからは業界自身の問題として容器包装の素材別使用量の調査を開始し、93年から環境保全委員会の中に容器・廃棄物専門委員会が設置されました。
増え続けるごみとその処理対策が、大きな社会問題となるなか、一方では地球環境を考えた省資源・省エネルギーをどう具体化していくかが各企業の目標ともなっていたのです。いわゆる容器包装リサイクル法による規制に対しても、できるだけ問題を先取りし、前倒しで業界の対応を検討してきました。なにをすべきか、削減の活動を自主管理し努力した結果、さまざまな面で容器包装材料の使用量の削減がはかられてきたのです。
問題となるプラスチックについても、詰め替え商品の普及をはかるなどの対応によって、業界での容器使用量は、ここ5年間で16%減少することができました。


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■環境への影響実質ゼロをめざして

このようにして、実質的な環境影響ゼロを模索して、さまざまな技術的な努力をしているのが、環境保全委員会です。その活動は毎年の「環境年報」に集約して報告されています。ただ、委員会のメンバーは各社の技術部門の人が多く、年報の内容もどちらかといえば専門的なものなので、今後工業会としてPRの方法も工夫し、多くの方々に活動を知っていただきたい、という願いもあります。
また、最近では化学物質などの人為的なものに対して一部に根強い不安感があるのも事実です。これらについては、リスクコミュニケーションの考え方をもっと研究していくことも必要でしょう。
環境保全委員会では、長年にわたってデータも蓄積してきて、それをどうやって伝えるか、「ハザードはあるけどリスクはありませんよ」そういうことをどのように伝えていけばいいか、できるだけ客観性をもたせたデータとして表現できるようにすることなど、今後これらの点も考えて情報発信の仕方を研究しなければなりません。


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■変化に合わせて環境時代に対応

環境年俸最近では、消費者からの質問は、「人体に安全なのは当然として、使うことで環境に与える影響はどうか」といった質問が多く寄せられるようになっています。こうした世の中の変化に合わせて、今後の環境課題に対応していきます。
たとえば、温暖化対策では原材料から廃棄までのライフサイクルアセスメント全体として捉え、方向性を見極めていくことも必要となります。
その意味では、これからは環境保全委員会だけの問題というより、各委員会ともシェアしながら、時代の変化に応じて、ウエイトを変えながらの検討も必要でしょう。いずれにしてもこれからは、地球環境という目で見てトータルとしてどうなのか、企業の社会的な責任や工業会の使命も当然として、環境保全の問題を真摯に受け止めていくことが必要でしょう。

環境保全委員会の活動は、「環境年報」に集約されています
(最新2000年度版をご希望の方は、送料とも1,240円(切手代用可)を添えて事務局までお申し込みください。)


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