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2017年9月15日更新
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参照カテゴリ> #02.人健康影響と、環境影響 

においと香り





『においと香りについて知り、人がどう感じるかを学ぶ』

〜香りと上手に付き合うために、必要なこととは?〜


 当工業会では、柔軟仕上げ剤の”香りのマナー”を啓発しています。編集専門委員会は「におい・香り・人の嗅覚」に関する知見を広めるため、名古屋市の大同大学を訪れました。同大学は2010年に「かおりデザイン専攻」を新設し、教育や専門家の育成にも取り組んでいます。同大学の教授で、住環境の「におい」研究の第一人者である光田 恵先生と、特任教員の岩橋尊嗣先生にお話をうかがいました。

写真、大同大学 教授 情報学部 総合情報学科 かおりデザイン専攻 光田 恵 さん(写真左側)
大同大学 特任教員 岩橋 尊嗣 さん (写真右側) 学内の調香室にて
↑大同大学 教授 情報学部 総合情報学科 かおりデザイン専攻 光田 恵 さん(写真左側)
大同大学 特任教員 岩橋 尊嗣 さん (写真右側)←学内の調香室にて

●住環境の「におい」研究では、「人がどう感じるか」を重要視されているとお聞きしました。

 においは、生きとし生けるものにあって当たり前のもので、においにも個性があります。でも今は、家族がユニット化されて、自分以外のにおいに触れる機会があまりありません。においに関する経験や教育が不足しているので、においについて知らないことが問題としてあるかと思います。
 たとえば、子供を高齢者施設に連れて行くと、経験したことのないにおいにびっくりして、「もうあそこには行きたくない」となってしまう。学校では体臭でいじめがあるとか、問題は切実です。においが、人間関係を適切に構築できない原因の一つになってしまっているのです。

●においの問題は人間関係にもつながるんですね。柔軟仕上げ剤の香りについても、周囲への配慮が必要です。

 昔は、悪臭公害やトイレやタバコのにおいなど、街の中にも家の中にも色々なにおいが溢れていましたよね。その後、臭気対策がとられて、バックグラウンドとしてのにおいレベルは下がっていきました。空気清浄機なども普及し、環境中のにおいが少なくなって、人が接するにおいの量が少なくなっています。そこへ、「香りをつけて楽しむ製品」が出てきたので、芳香剤や柔軟仕上げ剤などの香りはインパクトがありました。インパクトが強かったから、楽しみとして香りを好んで使う人が増えた一方で、香りを嫌う人の存在も明らかになりました。

●多くの人が良いと感じる香りを、ある人は不快に感じます。それはどのようなメカニズムなのでしょうか。

 におい・香りに対する経験の違いが考えられます。においで苦労された経験を持つ人などが、におい全体に対して嫌な印象を持つと、受け入れることが難しくなります。
 また、人はにおいや香りを本能的に感じています。およそ2億5千万年前に初めて登場した哺乳類は、地下生活が基本で、暗闇で生きるために嗅覚を発達させました。その遺伝子が今も受け継がれていて、人の嗅覚受容体は、働いているものだけで400もあります。他の感覚受容体の数は1桁か2桁なので、嗅覚のすごさがおわかりでしょう。
 受容体が捉えたにおいは大脳辺縁系に伝わりますが、そこには記憶に関する海馬や、情動に関する扁桃体もあるので、においはそれらと強く結びつきます。そのせいで、あるにおいを嗅いだだけで、何十年前の記憶が急にフラッシュバックする、ということも実際に起こるわけです。

●香りに慣れると感じなくなるのは、どうしてですか?

 順応性は、まだ学術的に解明されていません。受容体はにおい分子をキャッチして大脳にも伝えているのに、おそらく中枢で「においを感じない」という判断をして、次に来る強いにおいを感じる準備をしているのでしょう。柔軟仕上げ剤を使っている人が、「最近、香りが弱くなった?」と思い、使用量を増やしてしまう一因と考えられます。

●そうですね。香りの順応性や、柔軟仕上げ剤の適量使用について啓発を続けていきたいです。

 製品のメーカーは、「香りが良い」といった断片的な情報を出すばかりではなく、「柔軟剤とは、洗浄とはこういうもの」という根本に立ち返り、もっと俯瞰的な情報を流すべきだと思います。

●最後に、冒頭でお話があったような、においの問題とはどのように向き合っていくのが良いとお考えですか。

 やはり人間関係の問題もあるので、子供の頃から家庭教育や学校教育のなかで、においを経験させることが大切です。これは危険のシグナルになるにおい、これは安らぐにおい、というのを教育して経験させます。また、人がどう感じるかが重要で、香りをどのように使えば不快に感じないか、むしろ快適と思えるのかを知り、対処できるようにします。そのためには、香りの専門家を育成する必要があり、その人達が社会に出て情報発信していくことが重要です。現在、教えている学生たちにも、研究ベースではなく、教育的視点を持って、社会で活躍をしてほしいですね。



 以下は、『大同大学 情報学部 総合情報学科 かおりデザイン専攻 監修のポスター』の画像と文章の一部を引用させていただきました


大同大学 情報学部 総合情報学科 かおりデザイン専攻 監修のポスター

 



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