せっけんメモシート(10)
“手づくり石鹸” 問題のまとめ
日本化学工業協会 化学製品PL 相談センターでは、相談に対してこう回答しています
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| 普通の人々の善意に支えられて広まってきた、ともいえる一面をもつ“手づくり石鹸” は、その問題点を指摘するにも勇気が必要です。また、なにが本当にあるべき姿か、問題を整理しておくことも重要でしょう。 |
社団法人日本化学工業協会では、化学製品PL 相談センターを設けて、広く相談に応じています。ここにも、「廃油を再利用した手づくり石鹸 (台所用) を祭りで無料配布する予定である。製造物責任の考え方について教えてほしい」という問い合わせが寄せられていました。
これについて、同センター発行の「アクティビティーノート」第105号 (2005/11) では、詳しく回答しています。以下その要旨をピックアップして、この問題のまとめにかえましょう。
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| ●製造物責任(PL) 法では |
製造物の欠陥によって生命、身体または財産に係る被害が生じた場合、製造業者等は被害者に対して損害を賠償する責任がある、というのがPL 法の原則です。
「製造業者」とは、「当該製造物を業として製造、加工または輸入した者」と定義されています。「業として」とは、「同種の行為を反復継続して行うこと」(経済企画庁国民生活局消費者行政第一課編『逐条解説製造物責任法』より) を指し、お祭りで不特定多数に無料配布するということがそれに該当するか否かは、最終的には法的な場において、個別の事案に応じて判断されるものと思われます。PL 法の対象とならない場合でも、民法に基づく不法行為の要件が満たされていれば、損害賠償を請求される可能性はあります。 |
| ●薬事法の適用を受けないとはいえ |
化粧石鹸や薬用石鹸の場合にはそれぞれ薬事法上の「化粧品」、「医薬部外品」に分類され、製造販売にあたっては厚生労働大臣による営業許可 (薬用石鹸の場合にはさらに製品ごとの製造承認) が必要です。たとえ個人やグルーブ等であっても厚生労働大臣による許可・承認なくこれを事業として行なえば、法律に違反することになります。台所用石鹸や洗濯用石鹸等の場合には薬事法の適用を受けない (ただし野菜、果実の洗浄を用途とする台所用洗剤については、食品衛生法に基づき成分等の規格基準が定められています) ため、そもそも浴用や洗顔用としての使用は認められていません。
台所用や洗濯用といっても、やはり皮膚に触れる可能性がある以上、人によってはかぶれ等を起こすことも考えられます。自らの責任において個人で使用するならまだしも、有償無償にかかわらず人に提供することは、後のトラブルのもとになりかねないためお勧めできません。 |
| ●劇物指定薬品を使う |
廃油を反応させるために使用する苛性ソーダ (水酸化ナトリウム) は「毒物及び劇物取締法」で劇物に指定されている薬品で (購入の際、印鑑と身分証明書が必要)、取り扱いを誤ると、皮膚に触れた場合には「化学やけど」を起こしたり、目に入った場合には失明したりする恐れのあるものです。
また石鹸をつくる際、使用する廃油の劣化状態、加える苛性ソーダの量などによって、出来上がりの品質に差が生じやすく、アルカリ度が高く皮膚への刺激性の強い石鹸になる可能性もあります。こうしたことからも、薬品の取り扱いについての知識や経験のある人の監督の下に、また十分な設備が整っている場所で行なうのでない限り、安易に石鹸を手づくりしたり、ましてそれを人に提供したりすることは、控えた方がよいでしょう。 |
化学製品PL相談センター発行の「アクティビティーノート」第105号(pdf)
は、同センターのサイトからダウンロードできます(該当ページはp9)。 |
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