日本石鹸洗剤工業会(JSDA)
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2006年12月15日更新
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参照カテゴリ> #03.台所,住居 

*洗剤の「除菌」表示と消費者意識(2)

台所用・住居用洗剤の除菌標記について

洗浄剤部会委員
登坂 正樹

(2006/11/21開催)

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はじめに
 除菌を訴求した洗剤が発売されてから、かれこれ10年になります。
 今回、除菌に関する意識調査を行ってみて、『除菌』という言葉は生活者の中に浸透しており、除菌訴求洗剤は衛生手段の一つとして認識されていることが明らかとなりました。
 除菌効果を訴求した製品は年々増えてくる一方で、『除菌』は生活者が効果を知覚しにくい訴求です。
 このような状況から業界の統一ルールとして、公正競争規約に『除菌の表示基準』が追加されました。
 日本石鹸洗剤工業会では、公正競争規約に沿った「除菌表示」を推進すると共に、家庭用洗剤での「除菌」についての啓発活動を進めていきます。
 また、今回行なったような意識調査を今後も定期的に継続して、生活者の衛生意識の変化や、洗剤に求められている役割や期待などをウォッチし、次の活動に繋げていき、生活者の衛生向上に貢献して行きたいと思います。

1) 基準策定の背景・目的
2) 公正競争規約『除菌表示』追加・改訂の概要
3) 除菌試験方法

 1) 基準策定の背景・目的
1-1. 基準策定の背景・目的
 近年、消費者の清潔意識が高まると共に、家庭用合成洗剤においても、除菌効果を訴求した製品が年々増えてきました。日本石鹸洗剤工業会会員企業の製品で見ても、2006年11月現在で、台所用洗剤は市販されている41品中18品、住宅用洗剤は48品中23品で「除菌」が訴求されています。
 従来、これらの除菌訴求は、各社がそれぞれの基準を設けて実施していましたが、市場で多くの除菌訴求洗剤が販売されている状況や、除菌はその効果を消費者が知覚しにくいものであることから、除菌効果を訴求する判断基準や表示内容を業界内で統一すべきとの声が上がっていました。
 このような現状から、除菌に関する適正表示をルール化するために、1999年から、洗剤・石けん公正取引協議会にワーキンググループが設けられ、「除菌表示」に関するルールづくりの検討が進められてきました。
検討を行ったのは、台所用洗剤、住宅用洗剤、洗濯用洗剤の3つのカテゴリーです。
 06年の9月に「台所用洗剤」と「住宅用洗剤」の除菌表示に関するルールが公正競争規約に追加になりました。
なお、洗濯用洗剤については現在も検討中であり、まとまり次第追加される予定です。
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1-2.台所用合成洗剤と除菌表示例
 06年11月現在、除菌表示をしている台所用洗剤の例を示します。
 台所用洗剤の除菌訴求は、食器洗いに使うスポンジの除菌を目的にしているものが多いことから、スポンジ除菌に限定しての検討が行われ、今回ルール化されたのも、スポンジ除菌の表示に関するものです。
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1-3.住宅用合成洗剤と除菌表示例
 住宅用洗剤の例を示します。住宅用洗剤はキッチン回り用、浴室用、トイレ用など様々な用途の商品があり、その多くに除菌効果が訴求されています。
 今回の住宅用洗剤では硬質表面、例えばプラスチックや金属、陶器、ホーローなどの水の染み込まない対象物の除菌について検討が行われルール化されました。
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1-4.洗剤の品名区分
 台所廻りや住居廻りでは合成洗剤の他にも、洗浄剤というカテゴリーに分類されている商品も使われています。今回、ルール化されたのは、台所用と住宅用の「合成洗剤」と「石けん」の除菌表示についてです。
 「合成洗剤」や「石けん」と「洗浄剤」の違いは、「家庭用品品質表示法」に定義されています。石けんを主成分とするものが「石けん」、石けん以外の界面活性剤を主成分とするものが「合成洗剤」であり、これら2つを「洗剤」と総称します。
 今回の除菌表示の対象となるのは合成洗剤と石けんと言うことになります。これに対して酸、アルカリや漂白剤を主成分としたものが「洗浄剤」です。洗浄剤の例としては、バスルーム等で使われるカビとり剤があります。 見分け方は、商品の裏面にある「品名」表示の表記で見分けることができます。
 今回のルールからは対象外となる、洗浄剤にも除菌訴求のある商品は沢山あります。一般消費者から見れば、同じように除菌訴求をしている商品ですので、合成洗剤で定められた除菌表示のルールとの協調を、洗浄剤の工業会にも働きかけています。
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 2)公正競争規約『除菌表示』追加・改訂の概要
2-1.「除菌」表示ができる統一基準
 「除菌」表示するための統一基準が設定されました。「除菌」の定義は、「対象物から増殖可能な細菌数を有効量減少させること」としています。ここで対象としているのは一般的な細菌類であり、カビ・酵母などの真菌類は含みません。
 除菌表示を行うには、洗剤・石けん公取協が定めた除菌試験法により、洗剤・石けん公取協が公認した外部試験機関において試験を行い、一定の基準をクリアする必要があります。一定の基準とは、合否判定のための菌種としては黄色ブドウ球菌、大腸菌の2菌種とし、それぞれの菌種で除菌活性値で2以上あること。除菌活性値2以上とは、「除菌効果のない対照試料」に対して生菌数を1/100以下に減少させることを言います。
 菌種を黄色ブドウ球菌と大腸菌の2菌種としたのは、細菌はグラム陽性菌とグラム陰性菌に大別されますが、グラム陽性菌の代表として黄色ブドウ球菌、グラム陰性菌の代表として大腸菌の2菌種に対する除菌効果を見ることで、細菌全般に対する効果をある程度代表できるという考え方です。
 公認試験機関として初年度は、台所用が北里環境科学センター、日本化学繊維検査協会、日本食品分析センター、住宅用が北里環境科学センター、日本食品分析センターが認定を受けています。
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2-2.ラベル表示方法
 除菌基準を満たしている合成洗剤・石けんは「除菌」のマーク表示、「洗剤・せっけん公正取引協議会の除菌基準を満たしている」旨の表示のいずれか、或いは両方を表示することができます。
 「除菌」のマーク表示とは、この様に除菌の文字をデザイン化したもので、各社の運用に任され、統一マークではありません。
 「殺菌」のような薬事法に抵触する表示、「除菌で安全」のように除菌することによる安全性をより強調した表示、「除菌で病気をふせぐ」といった、健康被害を防止または軽減するかのような誤認を与えるおそれのある表示は禁止されています。
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2-3.ラベル表示方法(2)
 消費者の除菌に対する拡大解釈を避けるために「すべての菌を除菌する訳ではありません」の表記が必要です。
 「除菌効果」が限定的な場合の追加表記事項として除菌が特定の対象物・用途についてのみ実証されている場合は、その対象物・用途を明記する必要があります。
除菌するために何らかの使用条件を満たす必要がある場合は、適切な使用方法や使用量を明記する必要があります。
 台所用洗剤のスポンジ除菌のケースのように、特定の対象物・用途のために、通常と著しく異なる使用方法をとる必要がある場合は、「除菌」のマーク表示にも対象物・用途を併記する必要があります。
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2-4.台所用洗剤の除菌表示例
 具体的な表示について、台所用洗剤のスポンジ除菌を例にとってご説明いたします。
 除菌基準を満たした洗剤には、「除菌のマーク表示」と、「洗剤・石けん公正取引協議会の定める除菌基準を満たしている」旨の表示のいずれかまたは両方が表示されます。さらに、「すべての菌を除菌するわけではありません」の表示が入ります。台所用洗剤の場合、除菌の対象物用途は「スポンジの除菌」となります。
 適切な使用方法・使用量としては「固く絞ったスポンジに洗剤8mLをつけ十分に揉んで、次に使うまでそのまま置いておく」と言うことになります。この様な使用方法は食器洗いの方法とは著しく異なりますので、除菌のマーク表示にその旨を表記する必要があり、「スポンジの除菌ができる」と言った表記になります。
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2-5.除菌表示規約運用
 次に規約の運用についてご説明いたします。
 除菌表示を行う場合、メーカーは洗剤・石けん公正取引協議会が認定した公認試験機関で除菌力の試験を受け、除菌基準をクリアしている旨のデータを取得する必要があります。
尚、公認試験機関は公取協が年一回行う公認試験で毎年更新されます。
 「除菌表示」の規約は認定・登録制度ではありませんので、除菌表示はあくまでもメーカーの自己責任で行います。ただし、キチンと運営されていることを確認する目的で、公取協が定期的にセルフチェックを行います。
 セルフチェックは年1回、各分野から最大5品を公取協が選定し、メーカーに除菌試験データの提出を求めます。これに対し、メーカーは15日以内に試験データを提出する必要があります。
除菌表示の規約は2006年9月1日から施行されていますが、各メーカーはこれから公認試験機関で除菌試験を受け、除菌データと製品表示を整備する必要がありますので、その猶予期間として2年を設けております。
 従いまして、セルフチェックのスタートは2008年9月以降となりますが、初年度のみは「除菌」表示を行う全商品の除菌試験データを自主的に公取協に提出する申し合わせとなっています。
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 3)除菌試験方法
3-1.除菌試験方法作成の流れ
 新しい試験法は、出来る限り実用条件を反映し、且つ科学的妥当性が確保された模擬試験方法として除菌効果を確認できるものとするという考え方で検討されました。検討にあたり、適用可能な公的試験方法がないか調べました。
 その結果、住宅用洗剤はEN13697というヨーロッパの殺菌・消毒剤の定量試験法、台所用洗剤はJIS L 1902の繊維抗菌試験法をベースにすることとしました。
これらをベースに各洗剤の使用方法や使用量、汚れ量などの条件を加味して新しい試験法を作成しました。
 試験法は一定の専門知識を有する者ならば、誰がどこで実施しても一定の結果が得られるようなものでないといけません。再現性を確認した後、フィールドテストで実際の家庭での使用との相関性を確認しており、最後に微生物の専門家からも科学的に妥当性ありとの諒承を頂いております。
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3-2.住宅用洗剤の除菌活性試験方法
 住宅用洗剤の試験法の場合、実使用時とほぼ同じ5分間での除菌効果を見る方法になっております。
操作は大きく3つの工程に分けられます。(1)モデル的に汚れた硬質表面を作る操作、(2)洗剤を接種して除菌させる操作、(3)5分後に生き残っている菌数を数える操作の3つの操作から成り立っています。
 モデル的に汚れた表面を作るために、菌とモデル汚れ物質が入った菌液をステンレスの円板に接種して乾燥させます。
 次にこの円板に洗剤を接種しますが、5分後に不活性化剤という除菌効果を止める液の中に円板を浸漬します。これにより、ちょうど5分後の除菌効果を見ることができます。ステンレス円板の表面で生き残っていた菌は、この不活性化剤の液中に抽出され、液中の菌数から計算することができます。
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3-3.住宅用洗剤の除菌活性
 最初にステンレス製円盤に接種した菌数を初発菌数とすると、除菌効果のない対照試料を接種した場合は初発菌数とほぼ同等の菌数が測定されます。これに対し試験試料、実際には市販の住宅用洗剤と言うことになります、を接種した場合の菌数の減少量を除菌活性値とします。
 除菌活性値は対数値で表されますから、除菌活性値1は対照試料と比較して菌数が10分の1になることを、除菌活性値2は100分の1になることを意味します。
 ここで除菌活性値を計算する際に、初発菌数と比べるのではなく、対照資料と比べています。これは、ステンレス円板上に菌を接種してから乾燥させている間など操作中に菌数が増減する影響をなるべく取り除く為です。
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3-4.台所用洗剤の除菌活性試験方法
 台所用洗剤も同様で、モデル的に汚れた硬質表面を作る操作、洗剤を接種して除菌させる操作、5分後に生き残っている菌数を数える操作の3つの操作から成り立っています。
 この場合食器洗いに使われるスポンジに試験菌液を接種することになります。
 また、台所用洗剤の場合、洗剤の接種後の放置時間は18時間となります。台所用洗剤のスポンジ除菌の方法は洗剤液をスポンジに付けてよくも見込んで、次に使うまでそのまま置いておくと言うもので、18時間は一晩放置に相当します。
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3-5.台所用洗剤(スポンジ)の除菌活性値
 台所用洗剤の場合も除菌活性のない対照試料を接種した時の菌数に対し、試験試料(実際には市販の台所用洗剤)を接種した場合の菌数の減少量を除菌活性とします。
 住宅用洗剤と違うのは、初発菌数に対し、対照試料では放置中に菌が増殖する条件になっていることです。これは、実際の使用場面を反映させたものです。
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3-6.フィールド試験との相関関係確認
 このように除菌試験法は実際の使用場面を反映し、モデル化したものですが、家庭での実使用と相関がなければ意味がありません。
 この点については、実際の家庭で洗剤を一定期間使用してもらうフィールド試験を行い、今回除菌基準に定めた除菌活性値2以上、即ち除菌試験で菌数を1/100以上減少させる効果を持つ洗剤が、実際の家庭での使用においても有意に菌を減少させる効果のあることを確認しております。
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